ホオズキ Physalis alkekengi var. franchetii (ナス科 ホオズキ属)
ホオズキは東アジアが原産地の多年生草本。昔は観賞用、あるいは食用に広く栽培されており、鉢植えにされたり、庭の片隅や畑のほとりなどに見られたものであるが、最近は少なくなった。熟れたホオズキの果実から種子を出し、口の中で音を出して遊ぶ習慣も廃れてしまった。今でも放棄畑などに時折野生化したものを見ることができる。長い地下茎により繁殖するので、放置されても結構頑張っている。
花を注意してみることは少ないが、色は違うものの、ナスビの花とそっくりであり、ナス科であることがわかる。果実は袋をとると、ミニトマトに似ている。花が終わると萼が生長して果実を包み込み、このような独特の形になる。ホオズキにはカメムシがよく付くそうで、カメムシの方言の1つである「ホウ」がよく付くとの言葉が和名となっている。このカメムシはホオズキカメムシといい、ホオズキが大好きであるらしい。
時折、ホオズキの袋が見事に葉脈を残して食べられているのが見られるが(下の画像)、これはカメムシの仕業ではなく、ワラジムシの仕業かもしれない。果実が熟すと外の袋が食べられてしまい、中の果実が見えてくる。種子を散布する準備かもしれない。