ニオイバンマツリ Brunfelsia australis (ナス科 バンマツリ属) |
台風に追っかけられて鹿児島空港から飛び立とうとしていた時、空港の入り口付近の樹木が花を咲かせており、名札がかけてあるのに気が付いた。ニオイバンマツリ!なんと言う名前であることか!美しい花を咲かせる植物に付ける名前としてなんとも無粋というか、センスが感じられない。中国名の匂蕃茉莉をそのまま読んだ名前ということなのであろうが・・・・・ ニオイバンマツリは南米原産のの熱帯性の常緑低木であり、関東以西の暖地で栽培されるという。ナス科の樹木という考えに到達することは簡単でなかったが、わかってみればナス科である。花色は白色と紫色があり、紫色から白色に変化するとのこと。紫色の咲き始めの花では、花の中心には雄しべだけが見える。白い終わりごろの花では長く伸びた雌しべが目立つ。雄性先熟で、最初は雄花、最終的には雌花にかわって自家受粉を避けている。 英語名はいろいろあって面白い。Brazil rain tree ;ブラジルの雨天木(ブラジルの雨季に花が咲くという意味ではなかろうか)、 Paraguayan jasmin;パラグアイジャスミン(夜間に良い香りがあるとの意味であろう)、 yesterday-today-and-tomorrow ;昨日、今日そして明日(花色が変化することに由来していよう)、 kiss-me-quick;早くキスして(これも香りなのであろうか)。熱帯で広く注目されてきたことがわかる。 学会などで高知にはよく訪れた。2017年の5月も生物系三学会で高知に。物部川に連れて行ってもらっての帰り、後免駅で特急南風に乗ることにしたが、駅に付いた直後に列車が発車してしまった。折角なので周辺を歩いてみた。細い路地を歩くと良い香りがした。近寄ってみるとお庭に四角に刈り込まれたニオイバンマツリが一面に咲き誇っていた。感激でした。 |
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