ドラセナ・サンデリアーナ Dracaena sanderiana (リュウゼツラン科 ドラセナ属



 サンデリアーナは熱帯アフリカ西部原産。銀葉千年木・万年竹・富貴竹などの名前で販売されている。葉は斑入りで、黄緑色の部分と濃い緑色の部分がある。黄緑色の部分は年月が経過すると次第に色が濃くなっていく。茎は太さ1cm前後で、短く切って水に浸けておくと簡単に発根するので、鉢物としてあるいは水栽培などによく利用されている。栽培してみると、茎は背が高くなっても太くならないので、次第に不安定になり、倒れてしまった。針金で支えてやり、さらに生長させると、ついに根本から新しい茎を出してきた。以前よりも太い勢いの良い茎であった。
 ドラセナ・サンデリアーナに限らないが、ドラセナの仲間は形成層が無いので茎を太くすることができない(単子葉植物なので、当然であるが)。おそらく、背が高くなると適当に倒れ、その状態で発根して新たな個体ができるのではないかと思う。
ドラセナ・サンデリアーナドラセナ・サンデリアーナの葉

 茎の断面を観察すると、赤く染色された維管束は散在していることがわかる(散在維管束型)。それぞれの維管束を拡大してみると、周辺のピンク色に染まった部分は木部繊維であり、繊維が周辺を取り巻いていることがわかる。中心部には赤褐色に染まった水分の移動経路である道管と染色されない師部が存在する。このように繊維が周辺を取り囲んでいるタイプの維管束を包囲維管束という。このようなタイプの維管束は単子葉植物に広く見られ、形成層が無いので、肥大成長を行わない。
茎の断面維管束が散在している師部が中心にある包囲維管束

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