コンニャク Amorphophallus rivieri var. konjac (サトイモ科 コンニャク属
 コンニャクはインドシナ原産の栽培植物。晩春に芋から高さ1m近くにもなる花茎が形成され、ウラシマソウの花を大型にしたような、暗紫色の花を咲かせる。通常は芋を育てるために花を咲かせない。従って、果実も見たことが無い。繁殖は親芋に形成される生子(きこ)と呼ばれる小芋を分離させて無性的に行われることが普通。

 コンニャクの原料として栽培されるが、大きな芋を得るためには4〜5年かかる。下図のコンニャク畑では、左側の列が1年目の苗であり、右側に行くほど年代がたっている。地下の芋は冬季の低温には耐えないので、掘り上げて地下室などで越冬させる。南方系の植物なので、低温に弱いことは理解できるが、高温にも弱く、30℃をあまり越えない方が良いとされている。このために高原などで栽培され、夏が暑すぎる低地では栽培が困難である(日本での主産地は群馬県)。結構贅沢な環境が必要で、熱帯でもある程度の標高のある山地の樹林下などが本来の生育地かもしれない。

 コンニャクは、カロリーオフの食品で、ダイエット食品として注目されている。我が国には奈良時代には中国から伝来していたとの事であるが、現代の飽食の時代ならいざ知らず、食料が十二分であったとは思えない時代にわざわざカロリーを得ることのできない食品を何年もの手間暇をかけて栽培してきた事に関しては、首を傾げざるを得ない。食物繊維が重要であることが、少なくとも奈良時代から認識されていたことになる。
コンニャク畑
コンニャク:生子も葉を出している。コンニャクの葉
青空市で売られていたコンニャク芋大きく生長したコンニャク
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