モンステラ・デリシオーサ Monstera deliciosa (サトイモ科 ホウライショウ属
 生花などで時折見かける、否が応でも熱帯をイメージさせる葉。モンステラという名前はMonster のラテン語化であろう。怪物、あるいは怪物的に大きいということであろうか。種小名はdeliciousであり、果実が美味しいということになる。英語名はたくさんあるようで、fruit salad tree, Swiss cheese plant などがあって、完熟すると美味しそうである。

 モンステラ属の植物は南メキシコやパナマなどの熱帯降雨林を中心に生育し、気根を形成し、匍匐して樹木を登る大型の常緑ツル植物。「熱帯」に生育する植物のイメージとして、「大きな葉」がある。同じサトイモ科のクワズイモやサトイモは大きな楕円形の葉で、上方から降り注ぐ光を受け止めて漏らさず、これより下位に位置する葉の存在を許さないという姿勢である。

 モンステラ・デリシオーサの葉には深い切れ込みが入っており、新しくできた葉が下位の葉にも光が当たることを保証している。上へ上へと登っていくツル植物と塊茎を形成してその場所からほとんど移動しない定着型の戦略との違い、そしてそれにともなう葉の寿命が関係していると考える。おそらく、モンステラの葉は数年以上の葉齢を重ねることができる長寿命タイプであり、スリットから漏れてくる光で十分な光合成ができる耐陰性が高い光合成特性を持っているのであろう。その点はポトスと類似している。
モンステラ・デリシオーサモンステラ・デリシオーサ
花序:ハワイ花序の拡大:ハワイ
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