サトイモ Colocasia esculenta (サトイモ科 サトイモ属
 サトイモは東南アジア原産の栽培植物。畑や水田の脇などに栽培されるので、ヤマイモ(山芋)に対して里芋、あるいはタイモ(田芋)と呼ばれる。栽培されている品種は通常は花が咲かないので、子芋を植えて増やす。無性的繁殖であるので、長い年月栽培しても性質が変わらない利点がある。芋と葉柄(ズイキ)を食べる。南方から古い時代に渡来した作物で、多くの品種がある。

 サトイモの葉はなめらかで、表面は水をはじく。朝露は葉の上を玉になって転がっていく。大きな葉なので、夕立にあうと傘の代わりとしたものである。サトイモは単子葉植物であるが、葉の形全体をみると、単子葉植物とは簡単には納得できない。しかし葉に近寄ってじっくり見ると、見事な平行脈であり、なるほど単子葉植物の葉であると納得できる。

 サトイモのような平面的な葉は、上位に位置する1枚の大きな葉が光を独占してしまい、下層の葉には光が当たりにくくなってしまう。このようなタイプの葉はイネなどのどの葉にも均等に光が当たる植物に比べて光合成の能率が悪い。しかしながら、常に太陽の高度が高く、光が真上から当たる事の多い熱帯地方では競争に有利な戦略である。サトイモは熱帯に起源を持つ植物の特徴をよく示している。
サトイモの畑サトイモの葉
サトイモの畑サトイモの葉は水をはじく
サトイモの葉は詳細に見ると平行脈サトイモの葉柄を干して芋茎(ずいき)を作っている。
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