セキショウ Acorus gramineus (サトイモ科 ショウブ属) |
セキショウは渓谷に生育する常緑の多年草で、日本中部からベトナムなどの東南アジアに分布する。おそらく、暖温帯域以南が分布地域であろう。砂や小礫の多い谷には生育しにくいようで、堆積岩の露岩地に比較的多い。日照が制限されている谷でもよく生育できるようで、まさに深山幽谷のイメージがあって、絵になる。 増水すると水面下になるような渓谷に生育する植物の葉は、往々にして細長くなる。流水の抵抗を避けるためであり、流水に逆らわず伏せてやり過ごす方法をくわえると、このセキショウの姿になるのであろう。葉群の間に砂を溜め込むタイプではないので、岩の割れ目などにしっかりとした根を張って、生育しているのであろう。地下茎で群落をひろげるので、急流中でもある程度までは広がることができる。花は梅雨の増水に先駆けて、春から初夏にかけ形成する。 和名のセキショウは石菖であり、岩がちの場所に生育する菖蒲の意味であろう。英語名はDwarf sedge, Japanese rush, Japanese sweet flag。rushはイグサの意味であり、矮生の(水生)スゲ、日本のイグサ、・・・・flagは旗ですね・・・電脳で訳すとJapanese sweet で和菓子になってしまう。Sweetはよい香りがするということのようなのだが、flagがわからない。 |
|