オモト Rohdea japonica (キジカクシ科 オモト属) |
関東以西の温暖な地域に生育する常緑の多年草。葉の長さは30cm前後、夏に花を咲かせ、秋に赤い果実を稔らせる。濃い緑の葉と赤い実が美しく、日陰でも良く耐えることから鉢植えの古典園芸植物として栽培され、斑入りなどの様々な品種が作出されている。
小生の経験では、昔はよく見かけたものであった。地形的には斜面下部から底面にかけて、植生的には競合する常緑の低木や草本が少ないところに多い。近年の減少は、常緑樹林化の進行が大きな原因ではないかと思う。 石灰岩地帯でよくみられる印象をもっているが、その原因の1つがカタツムリなどの有肺類による独特の受粉様式(Wikipedia)にあるのかもしれない。石灰岩地帯にはカタツムリが比較的多いが、カタツムリの多い環境で、良好な受粉ができて種子がたくさんできるということなのかもしれない。栽培してみると、花は咲くけれども見ごたえのあるたくさんの果実を稔らせるのは難しい。その意味では、栽培にはナメクジ歓迎ということでになる。 中国にも生育し、生薬としての名前は「万年青根」。漢字名は「大本」だそうで、これが和名の由来なのでしょう。もちろん有毒である。 |