ムラサキツユクサ Tradescantia spp. (ツユクサ科 ムラサキツユクサ属) |
ムラサキツユクサは北米原産の園芸植物で、6月頃から次々と花を咲かせる。たくさんのつぼみがあって、順次咲くので1日花であるとはわかりにくい。長い期間、花を得ることができるので、浸透圧や減数分裂の観察などに使用され、ご記憶の方も多いであろう。小生は、大学の学生実験で小さなツボミから大きなツボミまで葯を染色して減数分裂のサイクルを追っかけるテーマで結構悩まされた記憶がある。 葯の基部からは単細胞列の毛がたくさん出ている。細胞内部が紫色の色素を含んだ液胞で満たされているので、美しく、光もよく通過させるので顕微鏡の使い方や浸透圧の実験に使われたりする。この仲間の特徴のひとつである。 ムラサキツユクサと呼ばれている一群の植物は、園芸的に改良されているので、学名や和名も混乱している。基本種であるムラサキツユクサはヌマムラサキツユクサとも呼ばれ、染色体数は2n=12である。染色体数が倍加し、2n=24となったものはオオムラサキツユクサと呼ばれるものであるが、これも含めて一般にはムラサキツユクサと呼ばれているようである。ここでも一括してムラサキツユクサとしておく。 染色体が倍加したオオムラサキツユクサはヌマムラサキツユクサに比べて全体に大型で、葉や花も大きい。下に掲載したものもそのタイプである。花の色には白から紫、斑入りのものもある。 |
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