ミズガヤツリ Cyperus serotinus (カヤツリグサ科 カヤツリグサ属
 ミズガヤツリは湖岸などの湿地にも生育するが、水田や休耕田・放棄水田などに多い多年草。大型のカヤツリグサで、高さ1m近くになることもあるが、多くは50〜70cmほど。葉は幅5〜8mmで細長く、夏に花茎を形成して開花する。苞葉は3〜4枚で長い。花は緑色で、次第に濃い赤紫色となる。雌しべの柱頭が長いので、小穂全体が太い毛で覆われている感じがする。地下茎があり、秋にその先端が肥厚して越冬芽となる。水田雑草には一年草が多く、多年草は少ない。
 ミズガヤツリは塊茎と種子で繁殖する。大きな塊茎から発生した個体はイネの成長をしのぐことができるが、種子からの発芽では畦道付近の日照が良い場所でしか大きくなれず、次年度以降の成長に期待して塊茎を残すのであろう。いったん定着すると駆除が難しい雑草のようである。日本全国に分布し、朝鮮・中国・インド・ヨーロッパにも分布する。
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