チカラシバ  Pennisetum alopeculoides (L.) Spreng.  (イネ科 チカラシバ属
 チカラシバは北海道西南部から南西諸島、東アジア・インドネシアに分布する多年草。田圃のあぜ道や堤防、路傍などによく見られる。人間が踏みつける場所に生育する植物は根系が発達していることが多く、このチカラシバも引き抜くことが困難なほど、根を発達させている。引き抜けるかどうか、力比べをしたことからこの名前が付いたのであろうか。とにかく引き抜きにくい植物である。路傍に生育しており、引き抜きにくく、緑の色が濃いイネ科植物であれば、チカラシバを疑ってみるべき。
 10月ころに出るチカラシバの穂は試験管ブラシのような形をしており、たくさんの長い頴(のげ)を付けた種を付ける。この種は犬などの動物の毛の間に入って運ばれ、新天地に生育地を広げる。チカラシバは、このように人間の農業活動に依存して生育してきた植物であるが、最近は少なくなったように思う。草刈り機で強度に刈り取りを行うようになったためかもしれない。
チカラシバ  Pennisetum alopeculoidesチカラシバの花
チカラシバの株左:葉鞘 中:葉の表 右:葉の裏面
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