エノコログサ Setaria virides (L.) Ess. Agrost. (イネ科 エノコログサ属)



 エノコログサは世界の温帯から暖帯にかけて広く分布する一年草である。荒れ地や路傍、畑などに生育している。アレロパシー物質を分泌するとの報告もあり、荒れ地などでは一面に群生していることがあるのがうなずける。
 エノコログサの由来は「いぬころ草」の意味であり、穂の形が子犬の尻尾に似ているからであると言う。ネコジャラシと呼ばれることも多く、この穂で猫をじゃれさして遊んだことに由来する。猫だけでなく、子犬もじゃれさして遊ぶには、もってこいの植物かもしれない。英語ではエノコログサ属の植物を Foxtail grass と呼んでいる。キツネの尻尾草であり、着眼点はよく似ている。太さと質感からいえば、キツネのほうがふさわしいかもしれない。
 刺毛が紫色ものもがあり、ムラサキエノコロとして区別することがある。混生することもあり、最近は変異の一つとしてあまり区別しないようである。
道路分離帯に発達したエノコログサの群落エノコログサの花穂
エノコログサの小穂刺毛が紫色のムラサキエノコロ
エノコログサとアキノエノコログサの区別点

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