カゼクサ Eragrostis ferruginea (イネ科 スズメガヤ属)
カゼクサは本州、四国、九州、朝鮮、中国、ヒマラヤに生育する多年草。畦道、路傍、草地、堤防糊面などに生育する。茎は根本から斜め上に伸び、踏みつけられてもほとんどダメージはない。根本の部分がちょうつがいのようになっており、踏みつけられても茎はそのときに倒れるだけであり、すぐに元通りに立ち上がる。葉も強靱であり、傷付きにくい。オオバコ、クサイとともに踏みつけ雑草の三役の1つである。花は8月頃から咲き始める。花序はまばらにつき、よく見ないと花穂があることがわからないほどまばらに小穂を付ける。
子供の頃、カゼクサの葉を結んで罠を作って遊んだものである。近所の広場にはカゼクサがたくさん生えていた。カゼクサの隣り合わせの株の葉を結んで輪を作り、友達を呼び寄せて足を引っかけさせるわけである。考えてみれば結構危険な遊びであったが、不思議と怪我をしたおぼえはない。葉をしっかりと縛り、罠を作ることができるほど、カゼクサの葉や茎の組織は丈夫なのである。