カズノコグサ Beckmannia syzigachne (イネ科 カズノコグサ属)



 カズノコグサは全国の水田などに生育する一年生草本。朝鮮半島から樺太・シベリア東部などにも分布し、。水田の周辺の水路などに群生し、やや湿った場所や、表水のある場所に生育する。前川はカズノコグサを稲作の伝来とともに渡来した史前帰化植物の1つとしているが、世界における分布は稲作域というより冷涼な麦作地帯であり、ライフサイクルも麦と一致している。このような観点からは、むしろ麦の伝来とともに渡来したと考える方が良いのかもしれない。
 和名のカズノコグサの由来は、花穂を見ると容易に想像できる。花穂は多くの小穂(しょうすい)からなるが、特に小穂が花軸から横に開く前の状態はカズノコのイメージにぴったりである。
カズノコグサカズノコグサ


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