マダケ Phyllostachys bambusoides (イネ科 マダケ属) |
七夕が近づくと短冊を飾りつけるササを採りに行った。ササとは言ってもササ類では様にならないので、手ごろなサイズの竹を採りに行くのだが、小刀程度で簡単に採れる葉を広げたばかりの若竹を選ぶことになる。今から振り返ってみると、マダケに違いない。 マダケはモウソウチクよりも細く、ハチクよりも太い。稈の節は2重の隆起があり、この点はハチクと共通。稈鞘(竹の皮)はモウソウチクに似た濃い斑紋がある。稈鞘の斑紋は、太い竹の子で明瞭であり、細いものほど不明瞭になる。稈鞘は丈夫でしなやかであり、無毛なので包装材料としても使われた。昔はお肉の包装やおにぎりを包んだりしたものである。小生は版画を刷る際に使用するバレンに重用していた。 マダケの若竹の稈は美しい濃緑色。葉は3種の中で最も大きく、8〜12cm。ややよれる傾向がある。肩毛は明瞭で開出して目立つ(最近の付けまつ毛みたい)。 HPにアップしようと思って周囲を見渡すと、マダケの竹林が最も広い。農業用資材などに、最も使い勝手が良かったのであろうかと考えてみたが、もう1つの要因として繁殖力というか、広がる力が大きいのではないか、と思い始めた。以前にはハチクの林であったところをこの度再訪してみたが、マダケが侵入しつつあって、ハチクの生育には陰りが見られた。 竹林に隣接する畑などに侵入するマダケには手を焼いている農家も多く、竹の子のうちにバッサリやっておかないと大変なことになる。芋畑の下はマダケの地下茎だらけであったという事例もある。毎年何度も草刈している竹林の10m以上はなれた隣接地に、知らぬ顔して太い竹の子が出たりする。度々刈り取られるとササ程度に小型化して耐え忍び、ちょっと手を省くとニョッキ!なのである。 ネットで調べてみると、マダケの筍は美味しいらしい。しかし、小生はマダケを意識して食べたことが無い。早春のモウソウチクは待ちわびての食材、その後、5月に思い出したようにハチクの細い筍が出てくる。筍を食べるのはここまでで、6月にマダケが我が家食卓に上ったことがない。今年はタイミングを逃したが、来年は食べてみようと思っている。ネット上には美味しいという記事と苦くて食べないという文面もある。さてどっち? |
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