マコモ Zizania latifolia (イネ科 マコモ属)



 マコモは北海道から九州、東アジアから東南アジアに分布する大型の多年生草本。ため池の湖岸、沼沢地、流れの緩やかな河川などに生育し、草丈は1.5mを越える。8月から10月にかけて花序を形成する。雌花は花序の先端につき緑色、雄花は下部について淡い紫色を帯びる。種子は食用となり、ワイルドライスとして販売されることもある。種子は稔ったものからすぐに脱落するので、花序はいつもまばらな印象がある。種子を集めるためには、船の中にたたき落としたという。
 地下茎は直径1.5〜2cmで、水深が地表面付近である場合には泥中を伸長するが、水深の深い場所では水中を浮かんでのびる。波浪の影響が少ない場所ではヨシよりも水深の深い場所まで群落を形成するが、風の影響が強い場所では群落を形成しにくい。
マコモ群落マコモの花序
マコモマコモの花序
マコモの葉マコモの葉(下部)
 長くて幅の広い葉は編んで菰(こも)を作ったので、真菰が和名となった。葉の下部は空気を含んで水に浮きやすい構造となっている。節の間に空気を含む地下茎を形成することもあって、水面上に密な群落を形成している場所では、群落中を歩くことも可能である。

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