オカメザサ Shibataea kumasaca (イネ科 オカメザサ属) |
庭園の生垣で最もたくさん使われているのはトウチクとオカメザサであろう。オカメザサは密生し、刈り込まれてもそれなりの姿を保っている。隣接しているヒラドツツジの刈り込みに進出しているのを見ると、高さは1.5m程度にはなることができるようである。地下茎の拡大に関しては、おとなしいのではないかと思うが、どうであろうか。
葉は長さ6〜10cmで長さの割には幅が太い。稈は節の部分が太く、稈鞘はすぐに剥がれ落ちる。日本西南地方に自生があるといわれる(日本タケ科植物総目録、鈴木)が、野生化したものは見たことがあるが、自然生えと思えるものには出会ったことが無い。さて、ふるさとはどんな場所なのであろうか。
津山市の庭園で飛び石の縁からササ類の花が咲いていた。どうやら手入れが悪く、生育地を拡大してきたササの地上部が刈り取られ、それが刺激となって花が咲いたらしい。ササ原では、山道の縁を刈り取ると、時折花を咲かせることがあるが、それと似た現象であろう。地上部が無かったのでお蔵入りとなっていたが、おそらくオカメザサではないか、と思っていた。このたびその気で図鑑を眺めてみると、まさにオカメザサであった。 |