サトウキビ Saccharum officinarum (イネ科 サトウキビ属) |
沖縄ではサトウキビが広く栽培されている。蔗糖の原料であり、世界の熱帯・亜熱帯地域で広く栽培されている。茎を30cmほどに切りそろえたものは、秋祭りの露店や駄菓子屋で売っていた。周辺の硬い皮を歯で剥き、中の柔らかい髄を噛んで黒砂糖の味がする汁を飲んだものであった。奄美大島でも広く栽培されており、学生時代に学生実習途中で、刈り捨てられていたサトウキビの茎を食べたことを思い出す。 サトウキビはニューギニア原産といわれ、竹のような茎の中の髄には糖分を含んでいる。食べてみるとずいぶん甘いので、濃度は高く、浸透圧としても相当なものに違いない。通常の植物は、糖分をデンプンに合成することにより、浸透圧が高くなりすぎることを防いでいる。サトウキビがなぜ動物にとって垂涎の的である砂糖を高濃度で貯留しているのか、まことに興味深い。 |
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