セイコノヨシ Phragmites karka (イネ科 ヨシ属)



 セイコノヨシはセイタカヨシとも呼ばれる大型の多年生草本。高さは4mちかくにもなる。和名は中国の西湖に因むという。本州から南西諸島、世界の暖温帯から熱帯に広く生育する。河川の下流域や海岸に生育する。河川では、洪水時にも冠水しにくい、高い河原に生育し、土壌は粘土質であることが多い。このような大型のイネ科植物は、洪水時の激流には大きな被害を受ける可能性が高いのではないかと思われる。洪水時にも冠水しにくい河原は農耕地や公園などに改変されていることが多く、生育地は大きく減少してしまった。
 セイコノヨシの茎は太く、直径2cm程ある。葉も丈夫で、葉先が垂れずに上向きに伸びていることなどで、遠くから見てもヨシとは区別できる。夏の終わり頃に大型の花穂を開く。ヨシは日差しを遮る葦簾(よしず)を作るが、太いセイコノヨシの茎を両端に使ったりした。
セイコノヨシの群落
セイコノヨシセイコノヨシの花穂
photo:By Y. Namba


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