トウモロコシ Zea meys (イネ科 トウモロコシ属)
 トウモロコシは南米から中米メキシコ原産の重要な穀物である。茎の先端に雄花序ができ、葉の腋に雌花序ができる。雄性先熟であり、自家受粉は行わず、他の株の花粉により受精されることが必要な他殖性の植物である。したがって栽培する本数が少ないと種子ができにくく、単一品種を広い面積で栽培することが必要である。庭先に数本栽培する程度では歯抜けになってしまう。庭先で栽培することはあきらめましょう。雌花序の先端からは長い雌しべの束がひげとなって、垂れ下がっている。トウモロコシの種の数ほど、ひげがあることになる。この細くて長い雌しべの中を花粉管が伸びていくのであろうか? 花粉としてはかなりの道のりである。
 トウモロコシはジャガイモとともに、インカ帝国やアステカ帝国を支えてきた。コロンブスに代表される大航海時代にヨーロッパにもたらされ、日本には16世紀末に到来した。その後品種改良が行われ、多様な品種が作られた。食用としてはスイートコーンが代表的である。収穫された穀物の多くは家畜や鶏の配合飼料として使われる。デンプンを取り出したものはコーンスターチであり、コーン油もとれる。トウモロコシを主原料として作るのがバーボンウイスキー、種子が稔る前に刈り取ってサイレージ(青刈り飼料)にも使用する。種皮が厚くて丈夫な品種は加熱するとはじけ飛ぶ。ポップコーンである。
一面に広がるスイートコーンの畑トウモロコシの雄花序
トウモロコシの雄花序(拡大)葉腋につく雌花序ひげ(雌しべ)の拡大
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