コキンバイザサ Hypoxis aurea Lour. (キンバイザサ科 コキンバイザサ属)
コキンバイザサは本州宮城県以南から沖縄、中国・マレーシア・インドに分布する多年草。図鑑によってはヒガンバナ科に分類されている。岡山県では稀な植物であり、本画像は香川県の湿った明るい露岩地に群生していたものである。森林中に生育するかのような表現が見られるが、おそらく生育にはある程度の日照を必要とするものと思われた。植生からはかなりの栄養分を含んだミネラルウオーターが供給される露岩地であり、こんな環境は岡山にはないぞ・・・・と稀産であることを納得した。
最初はユリ科の植物であろうか?と思えたが全体に長い毛があり、オヤオヤ?であった。葉の長さは20cmほど、地表近くに黄色い花を咲かせる。花茎は細く、花後は横に倒れて果実が地表面に着いていた。果実の表面にも長毛がある。地下には直径1cmほどの球根がある。
生育地では、多くの個体はウサギと思われる動物によって葉が食べられていた。湿った露岩地は土壌が少なく、過湿であるものの、樹木の侵入はほとんどなかった。様々な栄養分を好む草本や樹木が侵入しても良さそうなものであるが、そのような植物は見あたらない。動物が露岩地の遷移の進行を妨害しているのか? そうであれば、動物たちのいない環境では、このような植物の保護・保全はあり得ないことになる。
○熊本の三宅君から早速の便り:阿蘇の牧場の中で多数生育しているのを確認したとのこと。湿っており、サワオグルマなどが多数生育していたとのこと。やはり生育地は中栄養の湿地のようですね(02/05/21)。