アヤメ Iris sanguinea (アヤメ科 アヤメ属) |
アヤメはスックと立つ健やかさ、そして深い群青色の花、アヤメ類の中でも最も好きな花である。スックと立つという印象は、花茎が枝分かれせず、まっすぐだからであり、花の色は白から紫がかったものまであるが、青がすっきりしている。 分布は広く、ロシア、モンゴル、中国、朝鮮、日本などの温帯地域に分布する。岡山県では県北で自生しているとの報告もあるが、栽培・野生化との区別が付きにくく、実態はよくわかっていない。準絶滅危惧植物に指定している。 太い地下茎で繁殖し、痩せ地にもよく生育できると思っているが、WIKIPEDIAによれば、湿った草原や河や湖の岸、林縁などに生育するとしている。モンゴルで見たIrisは、まさにそのような立地に生育しており、葉に顕著な主脈が無く、暗緑色であった点など、アヤメだったかもしれないと思い始めている。とはいえ、ノハナショウブやカキツバタなどのように地表水があるような場所ではなく、砂地で時折湿ることがある、といった程度の場所である。 和名のアヤメは綾目あるいは文目であり、網目模様が外花被片に見えるということに着目した名前であるが、模様の見え方は個体と花の新鮮さにも係わっており、ここに掲載したものは開いたばかりの早朝の花であるので、網目模様の見え方が少ない。英語名はblood-red iris 網目模様の部分を毛細血管としてイメージしたのであろう。 |
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