ダッチアイリス Iris ×hollandica (アヤメ科 アヤメ属) |
カンザキアヤメにはかなわないが、比較的春早くから花を咲かせるアヤメ属植物にダッチアイリスがある。ダッチはオランダあるいはドイツの一部地域の古名ということで、オランダアヤメとの和名をもつ。オランダで作出された園芸品種であり、野生ではない。アヤメ属植物の多くが花軸に対して葉が左右から扁平であるのに比べ、本種は、なんと言ったらよいか、普通の葉であり、断面はU字型、あるいは凹型、半円形。 アヤメ属植物の多くが採用している左右から押しつぶされた葉はイネ科的ではあるが、光を受ける方向が固定されているように見える。どちらの方向に向けるかで効率がかなり違うとおもう。左右に平らな葉は、片面を南側に向けていることが多いと思っている。ダッチアイリスは、どうだろうか? ほとんど無方向性であり、どのような方向からの光も受けることができる構造と配置となっている。その意味で、ダッチアイリスの葉はまとまりが無く、言い方によってはだらしない。高緯度対応の葉なのであろうか。 花の色は多様なのだそうだが、普段見るのは青色で、時折黄色や白いものを見る。青が強健なのかもしれない。 |
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