カキツバタ Iris laevigata (アヤメ科 アヤメ属
尾瀬ヶ原のカキツバタ群落(黄色いゼンテイカも咲いている)
尾瀬ヶ原のカキツバタ尾瀬ヶ原のカキツバタ(ふるいスライドフィルムから)
 カキツバタは北海道から九州、朝鮮・中国・シベリアに分布する多年生の草本。湿原や池沼に生育し、春の終わり頃に濃紫色の花を咲かせる。湿原に生育している姿は美しいが、湿原としてはやや栄養分の多い立地に生育しており、湿原としては周辺部であり、尾瀬ヶ原では周辺の丘陵地帯からの流入水がある地域に生育している。

カキツバタ(岡山県自然保護センター 植栽)カキツバタ(岡山県自然保護センター 植栽)
 カキツバタの花は、外花被片の中心部に白〜黄色の斑があるのが特徴。この花の汁で布を染めたので「書き付け花」と呼ばれていたものが、カキツバタになまったという。花が美しいので栽培されることも多いが、残念ながら1つの花は1日しか咲かず、翌日にはしぼんでしまう。各地で群生地が天然記念物などに指定され、保護されている。
英語名はJapanese iris, rabbit-ear iris, Water Iris。兎耳菖蒲は面白い命名で、立ち上がった内花被片を兎の耳にたとえたものであるが枚数が多い。内花被片を1枚取り、外花被片を2枚取れば、ウサギさんのイメージになりそうである。
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