カンザキアヤメ Iris unguicularis (アヤメ科 アヤメ属) |
カンザキアヤメは、もちろん寒咲菖蒲(文目)である。2月の終わりに歩いていると淡青紫色の花が咲いていた。アヤメの仲間ではあるが、冬に花が咲くアヤメを知らなかった。葉も見事に色濃く、花は花茎が低くて次第に伸びてくる葉の陰に隠れてしまうのが残念な点であるが、美しい。カンザキアヤメは地中海から西アジア原産の常緑多年草である。冬に温暖な地中海地域の原産であるとわかれば、冬に咲く性質が理解できる。 |
モンゴルでは、河原から砂漠に近い草原などで、Iris の株に出会うことが多かった。日本では、園芸品を除くと砂漠のような環境に Iris が生育していることはない。結局、モンゴルでは花が咲いていないこともあって、種名はわからなかったが、葉はこのカンザキアヤメにそっくりで、比較的近い種なのではないかと気にかかっている。ところで、モンゴルの Iris は、少し食べられていた。葉っぱの先端を少量だったら、食べてもいいよ、ということなのかもしれない。下に生長点ががあって、葉を送り出す葉の生長方式は、草刈や大型哺乳類の草食に対応できている。 |