シャガ Iris japonica アヤメ科 アヤメ属
 シャガは本州から九州、中国にも分布する常緑の草本。古い時代に日本に中国から持ち込まれた植物であるとされる。シャガは3nであって種子を作らないし、球根を作るわけでもないので、中国から持ってくるとすれば、生きたままで持ってこなくてはならない。渡来人が観賞用に持ち込んだのならば、遠路を鉢植えで移動させたことになる。古里の花を持ち込んだ風流人か、あるいはすばらしい薬効があるのか? 湿った布の間などに挟んでおけば、数週間程度は生きているのかもしれない。

 シャガは常緑であるが、アヤメ科の植物には常緑はめずらしい。かなり暗い場所にもよく生育し、谷沿いの陰地や竹林などにも生育する。地下茎で繁殖し、群落を形成する。春に薄青色の花を咲かせる。花は1日しかもたず、開花した翌日にはしぼんでしまう。数日でももてば、もっと華やかであろうと思うのだが・・・

 白地に青と橙色の斑点があるのが外花被片、その内側に3枚の青白い内花被片がある。その上には、先端が細く裂けた雌しべの柱頭がある。柱頭を上げてみると、その下には雄しべが1本あり、これらの構造は他のアヤメ属植物と同じである。
シャガ Iris japonica
シャガ Iris japonicaシャガ Iris japonica
外花被片内花被片
雌しべの柱頭雌しべの柱頭
雌しべの下側にある雄しべ下から見た花
シャガの葉シャガの地下茎
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