コオニユリ Lilium leichtlinii var. tigrinumユリ科 ユリ属
 コオニユリは全国の湿原の周辺地域や湿った草原に生育する多年生草本。夏に美しいオレンジ色の花を咲かせる。オニユリによく似ているが、湿地の周辺に生育することと、むかごを作らない点、茎に顕著な毛がないことで区別できる。地下には白い鱗茎があり、食べられる。花はよく結実し、中には翼のある種子が入っており、風によって散布される。
 コオニユリは湿原の周辺に咲く花としては派手なもので、良く目立つ。この花が咲くと写真愛好家の絶好のターゲットになってしまい、1日にして周辺が踏み荒らされてしまうことが多い。写真撮影が中心になり、植物そのものが採取されなくなった事は好ましいのであるが、誰か一人が我慢できずに立ち入ってしまうと、後から後から新たな立ち入りが続き、花が終わるまで泥沼になってしまう。
 因みに、コオニユリなどの球根を作るユリの仲間は採取して庭などに植えると、数年はどうにか生育しているが、3年目頃から消失してしまうことが多い。食べられてしまうのであろうか。野にあってこその美しさであり、栽培植物と比べると負けてしまう。野に生えたままで観てやりたいものである。
コオニユリ Lilium leichtlinii var. tigrinumコオニユリ Lilium leichtlinii var. tigrinum
コオニユリの茎(ほぼ無毛)コオニユリの果実
種名一覧科名一覧雑学事典目次Top生物地球システム学科