クロユリ Fritillaria camtschatcensis (ユリ科 バイモ属
 大昔といってよいと思うが、黒百合の歌が流行った。♪黒百合は 恋の花 愛する人に ささげれば 二人は いつかは 結びつく♪ どんな美しい花なのか、と子供心に思ったものであった。その後、クロユリの球根をアルプス土産にもらったことがある。栽培し、花を見ることができたが、その後わからなくなってしまった。絶えてしまったのだろう。
 白山の室堂平で群生しているクロユリを見ることができた。ミヤマキンポウゲなどの中から花をもたげている。草丈は10〜20cm程度花は長さ3cmほど。花は黒というよりこげ茶色(暗紫褐色)。網目模様があるが、外からより、花の内側から見たほうが、よくわかる。葉は披針形で輪生する。花は地味なので、うっかりすると見逃してしまいそう。色の黒さは太陽熱の吸収? しかし、かなりきつい臭いがあり、これが虫を引き寄せる魅力になっているのであろう。
 高山の草原に生育する。北海道以北の草原では、より草丈が高く、3nのタイプがあり、これを狭義のクロユリ、高山草原に生育する2nのタイプをミヤマクロユリ var. alpina として細分できるとのこと。ここに掲載したのは白山のものであり、高山形のミヤマクロユリということになる。おそらく、分布の西限であろう。
クロユリ Fritillaria camtschatcensis (白山)
クロユリ Fritillaria camtschatcensis (白山)
クロユリ Fritillaria camtschatcensis (白山)クロユリ Fritillaria camtschatcensis (白山)
花の内側クロユリの葉
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