ナギイカダ Ruscus aculeatus (ユリ科 ナギイカダ属)
 ナギイカダは地中海沿岸原産の常緑低木。1860年代に渡来した。葉がナギに似ており、ハナイカダのように葉の中央部に花が咲くことからナギイカダの名前が付いたのであろう。葉の先端は棘になっており、大変鋭く痛い。動物の侵入を防ぐ目的や、保安上の観点から生け垣や耕作地の境界などに植栽されてきたが、最近は少なくなってきた。イノシシが耕作地に重大な被害をあたえるようになってきた昨今であり、もう一度見直されても良いかも知れない。
 地中海沿岸原産であることで納得できるが、乾燥にも強く、比較的低温にも強い。秋に葉の中央部につぼみを着け、冬から春にかけて開花する。果実は秋に赤く熟す。花期は長いようで、冬には花と若い果実・熟した果実を同時に見ることが出来る。雌雄異株。
 葉は厚くて丈夫であり、長さ1.5〜3.5cm。葉のように見えるのは、実は枝の変形したものであり、本物の葉は小さな鱗片状に退化しており、ほとんど目立たない。ハナイカダとよく似た葉と花の関係であるが、成り立ちは全く異なっており、ハナイカダは花柄が葉の中央脈に合着したものであるが、ナギイカダは元々枝であるので、その一部から花が出て果実を実らせても何の不思議もない。
ナギイカダの花ナギイカダの果実
ナギイカダ:花と若い果実が同時に付いているナギイカダの生け垣
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