ヤマユリ Lilium auratum (ユリ科 ユリ属) |
ヤマユリは北海道と北陸を除く、近畿地方以北に分布する日本特産種。夏の最も暑い時期に満開となり、関東地方では夏の風物詩として語られることが多い。茎の高さは1.5mに及び、花期にはその茎の先に20p近い大きな花を10個近く咲かせる。満開時の姿はとても豪華で、かなり遠くからでも確認することができる。花は茎に対して横向きに開き、花被片は白色で中央に黄色の筋が入り、赤褐色の斑点が多数ある。強い香りがあり、庭でもよく栽培される。鱗茎は食用となる。画像は千葉県銚子市のものである。海岸沿いの崖地に位置し、風衝草原とタブ林の境界に多数の株が生育していた。近年は、場所により生育数が減少しつつあるとの声も聞かれるが、心無い採取に加えて、里山林の放棄により、生育可能な明るい森林が減少しつつあることも、その一因であろう。 |
(画像・文章:森定 伸) |