バショウ Musa basjoo Siebold et Zuccarini バショウ科 バショウ属
 バショウは中国原産の多年草。草の概念からははずれかけるが、岡山では地上部は毎年枯れるので、確かに大型の多年草である。幹のように見える部分は高さ2.5m位になるが、これは葉鞘なのであろう。全体の高さは4mになる。出たばかりの葉は直立するが、やがて斜めとなり、まるで旗竿のような感じになる。台風などの強風に遭うと葉脈の間が裂けてぼろぼろになるが、それも強風に対応した形態であり、あまり気にしていないのではないかと思う。
 花序はバナナとよく似ており、小さなバナナができる。最初に雌花が咲き、果実ができるが花序はそのまま伸び続けて雄花が咲き始める。雌性先熟であり、自家受粉を避けている。花には蜜がたくさんあり、子供の頃にはよく吸った記憶がある。
 学名は「ムサ バジョウ」であり、命名者はシーボルトとツッカリーニである。シーボルトが長崎にいた頃、日本の植物の標本を多数採取し、母国に送っているのでシーボルトが命名者の一人になっている植物は多い。こんな大きな植物の標本をどのようにして作ったのか・・・? 葉っぱ一枚を標本にするのに、何分割すればいいのか・・・変なことを考えてしまう大きさの草本である。
バショウバショウの葉
冬のバショウ雌花が咲いているバショウの花序長く伸びた花軸の先に咲く雄花
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