オオトリゲモ Najas oguraensis (イバラモ科 イバラモ属)
 オオトリゲモは、本州、四国、九州に分布する小型の沈水植物。1年生の水草で、湖沼やため池、山間の水田など、主に止水域のさほど水深の深くない水際付近に生育する。植物体はほぼ全ての節で二又に分枝を繰り返しながら成長し、長さ50センチほどになることもある。葉は長さ2〜4センチ、幅0.3〜0.7ミリ、縁には多数の鋸歯(小刺)がある。種子は3ミリ程度で、表面には横に長い梯子状の網目模様がある。オオトリゲモとよく似るトリゲモとは、雄花の葯室が、前者は1室、後者は4室である以外に大きな識別点はない。今回は、葉が直線的で2センチ以上ある点と、より普通であるとされていることからオオトリゲモと同定した。イバラモの仲間は、種子や花が無いと同定ができない種がほとんどであり、なかなか厄介である。

オオトリゲモ切れ藻確認されたため池
種子は1個づつつくhspace=3種子の長さは3ミリ程度種子表面の網目模様は横長葉の縁の小刺
 
文章・画像:森定 伸
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