エビネ Calanthe discolor (ラン科 エビネ属)



 エビネは日本各地に生育する多年生の草本。丘陵地帯の落葉広葉樹林に生育する。葉は広がって地面を覆うタイプであり、競合する草本の少ない谷筋の斜面などに生育していることが多い。塊茎(バルブ)がエビのイメージがあるので、エビネの名が付いた。
 派手ではないが、味わいのある花であり、山草愛好家のターゲットの1つであり、特徴的な葉であることもあって、花期以外でも確認しやすく、採取によって減少したと考えられる。
エビネエビネ
 エビネは減少しており、レッドデータに掲載されている植物である。その主な原因は、「採取」であるとされている。ある環境アセスメントでエビネが結構多数生育していたことがあり、保護・保全の対象としてリストアップした。開発事業が認可された段階で現地を再確認すると、エビネはきれいになくなっていた。地元の愛好家が、開発されるのならば取ってしまおう! と自分の庭に保護(?)したのか、アセスメントの調書を閲覧した人が採取したのかは、わからないがこれでは環境アセスメントの意味がなくなってしまう。困ったことである。
 とは言いながら、この画像は我が家の庭に咲いたものである。20年も前から庭で生育しているので、どのような経緯で入手したのかは忘れてしまったが、小生も採取に手を貸してしまっていることには違いがない。

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