クモラン Taeniophyllum glandulosum (ラン科 クモラン属
 クモランは関東以西の本州から琉球、朝鮮・中国・ヒマラヤに分布する特異なラン。葉がなく、根だけのように見える。その姿から蜘蛛ランというのであろうが、なんとも奇異な姿に進化したものである。宮崎の綾、梅の木の樹皮に着生しているのを教えていただいた。日当たりの良いところに生育する大型の低木に着生するという。
 クモランの根は長さ数cmで放射状に伸びる。6月から7月に、目立たない花を咲かせるとのこと。根には葉緑体があり、根を葉の代わりにして生育しているのかもしれない。ランの太い根は、菌類と共生して菌根を形成するので、菌類から援助してもらい、生長しているのかもしれないとも思う。おそらく両方であろう。ランの仲間には、自らは光合成せず、菌類に養ってもらって生育している腐生ランというグループがあるので、葉を持たないランがあっても不思議はないが、着生であって葉を持たないランは珍しいのではなかろうか。岡山県では絶滅危惧種に指定されている。
ウメに着生したクモラン
根だけで葉はない

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