フトヒルムシロ Potamogeton fryeri (ヒルムシロ科 ヒルムシロ属



 フトヒルムシロは全国に分布する多年生の水草。湿原の中の池や水路に生育する。葉には水中に発達する沈水葉と水面に浮かぶ浮葉がある。沈水葉は細長く、変異が多い。浮葉は長さ5〜13cm、幅は2.5〜5cmで、長い葉柄がある。沈水葉・浮葉ともに赤味を帯びることが多い。花は4月から8月に形成され、種子が稔るにつれて全体的に衰えることが多いので、夏には美しい葉が見られないことも多い。
フトヒルムシロフトヒルムシロ
 湿原の中にある池や水路には植物の遺体が堆積し、腐植栄養型の水質となっていることが多い。このような池では水のpHは酸性であり、赤褐色となっている。こんな場所に生育している大型のヒルムシロがあれば、フトヒルムシロの可能性が高い。フトヒルムシロは酸性の水質に適した光合成システムを持っているためである。

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