ヤマトミクリ Sparganium fallax 〔ガマ科 (ミクリ科) ミクリ属
ヤマトミクリの生育状況ヤマトミクリ Sparganium fallaxヤマトミクリ Sparganium fallax

 ヤマトミクリは本州、四国、九州に分布しするが、関東以東には少なく、特に大和地方に多いことからこの名がついた。ビルマ、インドににも分布する。ミクリと同様に沼地やため池の湖岸などに生育し、高さは1m程になる。ミクリに似ているが、花序が枝分かれせず、1つの茎に果実が並んで形成されるので区別できる。花期は5月から9月。

 岡山県における分布は少なく、保護・保全の対象種である。昔のことになるが、岡山空港の建設に伴いヤマトミクリの生育が確認指され、近隣の公的機関の池に移植して保護・保全をはかることにした。移植は成功して良好な生育を見せていたが、あるとき行ってみると、きれいさっぱりに群落は除去されていた。所長さんが変わる際には貴重種であることが伝達されなかったそうである。種の知識がなければ、タダ単なる茂りすぎる雑草に見えたということであろう。看板ぐらいはかけておくべきであった。
種名一覧科名一覧雑学事典目次Top