ジャゴケ Conocephalum conicum (ジャゴケ科 ジャゴケ属)
 ジャゴケは日本全国、北半球に広く分布する苔類。渓谷の湿った岩上、倒木上などに生育するのが本来の姿と思うが、住居周辺の水路沿いや湿った場所などにも生育する。表面に亀甲模様があり、その中心に灰色の点があるので、わかりやすいコケの1つである。亀甲模様がヘビの皮膚に似ていることから、ジャゴケの名前をいただいている。模様の中心にある灰色の点は、内部に気室と呼ばれる空所がある。その部分の上をドーム上に半透明の構造が覆っており、これが灰色に見える(気室孔と呼ばれる)。
 ジャゴケのような葉状体で地表を匍匐して生育するコケは、腹側に仮根を出して基物にしっかりと貼りついている。落ち葉が溜まる場所では生育しにくく、崖などの傾斜地や時折水が流れるような場所が生育適地であろう。昨年の秋に落下したと思われるスギの落枝を乗り越え、また古い自らの植物体を覆いつつ、生育している。
ジャゴケ表面の拡大
スギの落枝を乗り越えて成長するジャゴケジャゴケの生育状況

種名一覧にもどる / 科名一覧にもどる / 雑学目次にもどる / HPにもどる