カンハタケゴケ Riccia nipponica (ウキゴケ科 ウキゴケ属)
稲刈りが終わって水が引いた水田には様々な植物が芽生えてくる。春に耕されるまでの短い期間を利用したライフサイクルの短い植物たちである。カンハタケゴケは水が引いた水田の中でも、やや湿った水田に生育する。耕作はするもののイネを植え付けない管理休耕田によく見られる。秋から冬にかけて生育するので、寒畑苔の名前となっている。葉状体は長さ1〜2cmで、二股に分かれて広がり、円形となる。表面は凸凹であり、乾くと白緑色になる。所々に内部の気室へとつながる穴がある。
3月のはじめに同じ場所を訪れてみた。すでにカンハタケゴケは枯れて原型をとどめていない状況になっていた。稲作が行われていない3ヶ月ほどの期間だけ生育している短命のコケである。