コアナミズゴケ Sphagnum microporum ミズゴケ科 ミズゴケ属)
 コアナミズゴケは日本全国から朝鮮、中国に分布するミズゴケであり、比較的珍しいミズゴケである。オオミズゴケの群落に随伴して出現することが多く、良好な湿原にしか生育しない。オオミズゴケが水から立ち上がって生育するのに比べ、沈水状態で生育する。オオミズゴケの島状群落の中の水位の高い場所に生育することが多い。湿原の表面に生育している場合には長さ10cm程度であることが多いが、池などの水中に生育している場合には、長さ50cmを越える場合もある。

 コアナミズゴケのように沈水状態で生育するミズゴケの生育は、水質に大きく影響される。逆に言えば、沈水状態で生育するミズゴケが生きていくためには、ミズゴケの生育に適した水条件がそろっていることが必要なのである。中国地方では、オオミズゴケとコアナミズゴケのような盛り上がって生育する種と沈水状態で生育する種がセットで群落を形成している湿原は数少ない。このような湿原は資質として好適な水環境を持った湿原であり、良好なものであることが多い。
コアナミズゴケ地表水のある場所に生育するコアナミズゴケ
水面に浮かんで生育するコアナミズゴケ沈水状態で生育するコアナミズゴケ
種名一覧にもどる / 科名一覧にもどる / 雑学目次にもどる / HPにもどる