スコッチ・パイン Pinus sylvestris (マツ科 マツ属
 スコッチパインは、ヨーロッパアカマツ、オウシュウアカマツ、ロシアアカマツなどの多様な和名を持っている。学会発表などを聞いているとわからなくなってしまい、sylvestris という学名が出てくると、ヨーロッパからシベリアにかけて広く分布している、あのマツなんだなと認識できるほど。分布域がイギリスからコーカサス、シベリアと広く、低緯度では2000m以上の高山まで、高緯度地方でも1000mほどの高い地域まで分布しているので100以上の変種や系統があるそうで、さまざまな現地の言葉で呼ばれていることによるのであろう。ここではスコットランドでの観察であるので、スコッチパインとしておこう。種としては Pinus sylvestris var. sylvestris ということになるはずである。スコットランドでは、原野を牧野として維持するために火入れを行うこともあって、植林地以外ではあまり密な群落を作って生育していない。湿原やヒースでは自然生えし、幼木の生育があって、自然更新を行っている。樹形としてはアカマツによく似ているが、ややすらりとしており、通直性が高いので、用材としては優秀であると思われ、単独であるいは混植して造林されている。植林されている群落では林床にツツジ科の低木(スノキの仲間)がたくさん生育しており、日本のアカマツ林とよく似ている。ネット情報では、かなり長寿であり、相当な樹高に生長するとのこと。しかし大径木には出会うことはできなかった。
スコッチ・パイン Pinus sylvestris スコッチ・パイン の植林
スコッチ・パインの幹スコッチ・パインの枝先
スコッチ・パインのシュートスコッチ・パインの雄花序
スコッチ・パインの雌花序スコッチ・パインの球果
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