ジョロウグモ Nephila clavata (真正蜘蛛目 コガネグモ科) |
ジョロウグモは本州以南に分布する比較的大型のクモ。腹部の背面は黄色と黒青色の帯状の模様が交互に並び、腹面には紅色の斑紋と黄色い帯で彩られている。大学生時代、教育実習でクモの観察を行った。試験管にジョロウグモを入れて各テーブルに配ったのだが、最初はおっかなびっくりであった生徒たちも、やがて美しさに声をあげていた。懐かしい思い出である。このあでやかな配色をお女郎さんにみたてたのが和名であろう。 夏の気温が高い頃は小さくてあまり気にならないが、秋になると急に大きくなり始め、電線や庭木などに網をかけて目立つようになる。森林の中にも多いので、野外調査の際には結構なやまされるクモである。大きな網を張るが、古い網を撤去せずに重ねて新しい網を張るので、何枚も網が重なった状態になり、食べかすや落ち葉などのゴミも引っかかったままで放置する。結構汚らしい網の作り方・管理の仕方である。しかし、小鳥や蜂の襲撃から逃れるには、この網の作り方は有効であろう。網の糸は黄金色。雌の大著は30mmほどになり、体が結構重たそうで網にぶら下がっている。雄は8〜10mmで小さく、雌の作った網に小さな網を張って同居している。一匹の雌に数匹の雄が同居しているのも珍しくない。 昔はジョロウグモよりもコガネグモやオニグモが多かったような印象がある。最近はこれらにはとんとお目にかかることがなく、ジョロウグモばかりが目立つような気がする。クモが増えたのは低農薬化などによるもので良いことであろうが、ジョロウグモばかりが目立つのは、どう考えたらよいのであろうか・・・・ |
|