チャセンシダ Asplenium trichomanesチャセンシダ科 チャセンシダ属
 チャセンシダは常緑で小型のシダ植物。世界の温帯から暖帯に広く分布するそうで、分布図を見ると、北海道や東北にもあることはあるが、コンスタントに出現するのは関東以西あるいは以南ということになる。中国地方では日本海側に多く、広島県や岡山県、兵庫県の瀬戸内側には少ない。気候的な要素や地質的な影響を感じさせる分布である。

 石垣など、人家の近くにもよく生育するそうだが、ここに掲載したものは讃岐地域の安山岩キャップロックが崩壊したものを山道の縁に積み上げて石垣としたもので、安山岩の場所に限って見られ、隣接する花崗岩地域では見られなかった。酸性岩はお嫌い?と問いかけたくなる。

 冬であったので、胞子嚢はすでに脱落して白い跡だけになってしまっている。中軸は金属っぽく、これが残って茶筅のイメージになるのであろうか。
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