クモノスシダ Asplenium ruprechtii (チャセンシダ科 チャセンシダ属)
 クモノスシダは北海道から九州、朝鮮・中国東北部・ソビエト東部に分布する小型の常緑シダ。渓谷の石灰岩岩壁などに生育する。葉の幅は1〜2cmで、葉の先端が長く糸状に伸びて周辺の岩壁に付着し、先端付近から新しい個体を発生させる。岩壁などの定着しにくい場所で、確実に新しい個体を増やす戦略である。和名は「クモの巣シダ」であり、四方に細い葉を伸ばす姿からきているが、英名のSiberian walking fern:シベリアの「歩くシダ」の方が、実態をよくあらわしていておもしろい。
クモノスシダクモノスシダ
葉の先端から発生した新個体クモノスシダ
葉の裏面(胞子嚢)
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