タカワラビ Cibotium barometz (タカワラビ科 タカワラビ属) |
沖縄島の林道の脇、大きなシダが生育していた。葉の長さは1m以上あり、葉の根元を見ると、太い柄が地面からニョキっと出ており、黄金色の長い毛が生えていて美しい。見た瞬間は、ヒカゲヘゴの茎が伸びていない子供!と思ってしまったが、これはこれで大人であって、タカワラビと教えていただいた。
タカワラビの葉は端正で美しいが、ヒカゲヘゴに比べると少々柔らかそうなたたずまい。シダの戦略としては、ヘゴの仲間のように立ち上がって光競争に参加するという戦略もあろうが、高くなるのはそれなりにリスクがある。地表面で葉を出し続けるという方策のほうが、十分光合成できるのならば、経済的であるし強風に悩まされることも少なかろう。生態的には、高く伸びるのをやめたヘゴという概念に位置づけたい。タカワラビは立ち上がる幹を持たないが、この仲間は幹を形成して高くなる種もあり、tree fern に位置づけられている。 英語名はGolden chicken fern, woolly fern. 金鶏羊歯、羊毛羊歯という訳になり、葉柄の下部に黄金色の毛があることに因んでいる。中国、台湾、インドシナ半島、マレーシアなどに分布する。 |