オニヤブソテツ Cyrtomium falcatum (オシダ科 ヤブソテツ属
 オニヤブソテツは北海道南部以南の日本各地、朝鮮・中国・ベトナム・台湾・インドなどに生育する常緑のシダ植物。海岸の崖地、温暖な地方ではやや内陸の丘陵地帯に生育する。葉の長さは15〜60cm。崖地に生育する場合には垂れ下がるが、平坦地では立ち上がる。葉の幅は15〜15cmで、側羽片は7〜18対。葉が厚く、色が深緑色である点は、本種の特徴の1つであるが、内陸に至るにつれ、葉の質は薄くなる。羽片の縁は不規則にうねり、胞子嚢群は円形で、裏面全体に散らばる。変異が大きい。
 海岸に生育するものでは、葉の表面に塩の結晶が付いて白くなっているものもある。このような環境に生育できるためには、水が浸透しない表面構造になっていなければならない。崖地は乾燥することも多く、大変な生育環境ではあるが、これに耐えることが出来れば環境を独占することが可能になる。
崖地に群生するオニヤブソテツ葉の裏面
葉の裏面拡大
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