リョウメンシダ Arachniodes standishii (オシダ科 カナワラビ属) |
リョウメンシダは全国の丘陵地帯から山地帯に生育するシダ植物であり、谷沿いなどの水分の多い場所に普通に生育する。胞子嚢がついていない葉は表裏の質感がよく似ており、区別が付きにくいことから、両面羊歯と名付けられた。特に押し葉標本にすると、立体構造がわかりにくくなって、知っていないとわからなくなってしまう。軸に溝があるほうが表で、個々の小葉片は軸からぶら下がるように付いている。
安定した森林の中では胞子から出発するシダ植物は新規に定着しにくい。植林地などでは伐採作業などによって表層土壌が攪乱されやすく、谷筋も土壌が堆積するなどの新生裸地が形成されやすい。そのような場所に侵入・定着するのであろう。全国に分布するが、瀬戸内海沿岸地域など、乾燥する地域では少ない。 |