ヒロハハナヤスリ  Ophioglossum vulgatum L.
 ヒロハハナヤスリは草地に生える多年草で、北半球に広く分布する。葉を春に一枚伸ばし、夏には枯れて地下茎で過ごす。こう見えてシダ植物であり、フユノハナワラビなどと近縁な仲間である。葉(栄養葉:光合成をする葉)は幅が広く、最終的には1-3枚をつけ、形は広卵形になり長さ10cm、幅5cmくらいまで伸びる。下の画像の葉はまだ3cmくらいしかないので、生長し始めたばかりのものである。栄養葉の展葉と同時に、胞子葉(胞子をつける葉)も伸ばし始める。下の画像の棒状のものが伸び始めた胞子葉である。6月ぐらいには胞子が熟するとされている。茎はごく短く、地上からは見えない。春植物のひとつであり、夏までに生産的な活動を終えるライフサイクルをもっている。
文章・画像:太田 謙
種名一覧科名一覧雑学事典目次Top生物地球システム学科