アオネカズラ Polypodium niponicum (ウラボシ科 エゾデンダ属) |
アオネカズラは、本州の富山県と関東西部以西、四国、九州の他、中国南部に分布するシダ植物。夏に落葉して、冬に展葉する冬緑性で、樹幹や岩上に着生する。和名の蒼根蔓(あおねかずら)は、岩の表面などを長く横走する緑灰色の根茎に由来する。葉身は淡緑色で質厚く、長さ20センチ程になり、羽状に深裂して両面がビロード状の毛で覆われる。葉に触れると、毛の触感が不思議と心地よく、同じ科のビロードシダを連想させる。胞子嚢群は裏面の中助近くに付き、比較的大きい。岡山県では県中部の石灰岩地域を中心に、日当たりの悪い露岩地などで目にする。ウラボシ科の仲間には、ノキシノブやミツデウラボシ、ヒトツバなどのように乾燥に強い種が多い。本種もその例にもれず、夏季の乾燥を落葉してやり過ごす姿は正にこれと言える。他県では日当たりの良い場所で見かけるらしいが、自分自身は本種に対してその様なイメージが無い。これも、岡山県の少雨の影響なのであろうか?。 |
文章・画像:森定 伸 |