香川県小豆島の現存植生と地質 〇太田 謙1、森定 伸2、波田 善夫1 (1岡山理大・総情・生地、2ウエスコ)
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本研究は、香川県小豆島を対象に、現存植生と地質の関係を明らかにすることを目的としている。 香川県小豆島は周囲約125km、面積約153平方km、標高816mの星ヶ城山を最高点とする瀬戸内海で第2位の島である。気候は瀬戸内海気候に属し、年平均気温16℃程度、年平均降水量1,100mm程度の、温暖で雨の極端に少ない地域である。表層地質は、基盤の花崗岩の上に、集塊岩等の火山岩類からなる讃岐層群が分布し、キャップロックを形成している(香川県 1975)。 本研究では現地調査と空中写真の判読から作成した現存植生図(環境省 2001)と、表層地質図およびDEM(国土地理院 1998)から算出した地形属性情報をオーバーレイし、GIS的手法を用いて関係解析を行った。なお、集水面積指数の算出には、「みんなでGIS」(小池 2001)を用いた。 小豆島はキャップロックに由来する台地状の地形が特徴であり、島の中央に位置する山地上面(標高600〜700m)には平坦地が広がっている。平坦地の周囲は垂直な崖となっており、特に開析の進んだ山地南側斜面では、寒霞渓などの渓谷となっている。一方、北側は比較的なだらかな斜面が海岸付近まで続く。小豆島の植生は島全体がアカマツ群落やコナラ群落等の二次林に覆われているものの、寒霞渓にはアカガシ群落・ウラジロガシ群落・イヌシデ−アカシデ群落などの自然林が分布していた。また、海岸や山頂部の崖地にはトベラ−ウバメガシ群集が多く分布していた。 地質と植生の対応としては、閃緑岩地にコナラ群落の頻度が高かった。また、花崗岩地ではアカマツ群落とコナラ群落の分布割合に差はなかった。一方、花崗岩地でキャップロックの有無に注目すると、キャップロックの無い地域ではアカマツ群落の頻度が高く、ネズ−アカマツ群落が特徴的に分布しており、キャップロックのある地域ではコナラ群落の頻度が高かった。 |
日本生態学会第47回中国・四国地区大会講演要旨 |