結果と考察


A5b.冷温帯にまで分布する種 アカマツ・コナラ等

 WI70℃以上の地域でコンスタントに出現する種群である。

アカマツ・ヤマザクラ・ヤマツツジ・ナツハゼ・コナラ・ウスノキ・コバノガマズミ

 分布型Dの種とともに,二次林構成種として最も典型的な樹種である。暖温帯を主要な分布域としながら,沿岸南部からWI80〜90℃の冷温帯南縁まで広く出現頻度が高い。海抜でみるこの種群の上限は概ね600〜700mである。

コナラ

 中間温帯域においても林冠層構成種として出現頻度が高く,常緑広葉樹林化が進行しにくい寒冷地において当面或いは将来にわたって優勢となる地域があるものと思われる。

ハンノキ

 湿地林における優占種で,吉備高原の裾野から高原面にかけての谷間や過湿地に分布する。山間の谷間の水田では,昔畦に植えられていたこともあるためか,放棄後ハンノキ林として回復している場合もある。またウメモドキ(D)と同様の理由により,県南の湿地に生育することもあるが,大きくは成長できない場合が多い。

[最初のページ][A5a.暖温帯全域に広く分布する種][B.暖温帯上部の種]


岡山県における植物分布要因の解析
出典:難波靖司・波田善夫,1997.岡山県自然保護センター研究報告(5):15−41.
最終更新日:2000/07/07